車・乗り物

ドアを開けば 無限世界。

 ヨーロッパの良いところは欧州圏(EU)と言う括りで欧州諸国が纏まり、国境が開放され、難しい出入国手続きや税関等の煩わしい手続きが省略されて、欧州内では自由な移動が可能なところだ。おまけに大陸内のEU圏内のほとんどの国での貨幣がユーロに統合されているので、国ごとに通貨を交換する手間も、交換で失う手数料なども無く、欧州内を頻繁に移動する者達(筆者の様な・・)には極めて便利で都合が良いのだ。

 残念ながら筆者の住む英国はユーロには属さず英国ポンドを維持してきて、対にはブリクジットなる無謀な(筆者の個人的見解として)EUからの離脱を行い、英国だけはこのEU圏のメリットから離脱してしまったが(怒!!)。

 現在は筆者の年齢的な限界もあり、これらの移動の多くは飛行機を使っているのだが、今よりも若干若かった頃には英国の我が家から車を使って欧州中を走り廻ったものである。最長はハンガリーのブタペストやスペインのヘレス、イタリアにも何度も足を運んだ。

 もちろん最長片道2000キロを超える様なドライブだから時間にゆとりがあった時は途中で2泊程してのドライブはあたりまえだった。また英国を出発しドーバー海峡をフェリーで渡り、カレーから目的地へと向かうのだが、途中通過する大都市の近辺は通り抜ける時間を考えないと酷い渋滞に嵌まったりする。これを避けるために出発を夜中にすることが多かった。

 真夜中に出発し少なくともパリやブラッセルと言った大都市の近くは日の出前に通過してしまえば後は広大なヨーロッパの田舎を真っすぐに突き抜けるモーターウェイを走り続ければ良いのだ。

 このモーターウェイ、もちろんパーキングエリアやサービスエリアが数多く利用回数も多い。しかし一昔前は日本のそれに較べると、とんでもなく汚く、ただパーキングスペースがあるだけで、売店なども信じられない程小さく暗く、ドイツなどのパーキングエリアにはトイレもなく(そう薮の裏側には野xソ!!)・・だったものだが、ヨーロッパがEUの括りでモーターウェイを整備し始め、EU圏全域で少なくともモーターウェイはEナンバーで共通表示がされ、極めて分かりやすくなり、その延長でサービスやパーキングエリアの整備がすすみ、現在ではモダンで奇麗で安全性の高いエリアへと代わってきた。

 欧州のパーキングエリアでは多くのキャンピングカーをみつけることが出来る。欧州人はキャンパーが大好きなのだ。もちろん何週間も続くホリデー期間に一家総出でホリデーに向かうのはヨーロッパの常識。しかし長期ステイは宿泊代が嵩んでしまう。したがって宿泊をキャンピングにすれば安上がりで、他人への気遣いもせずにのんびりと、いわゆる通常時の家庭環境をホリデーの目的地でも維持できると言うわけだ。したがってホリデーシーズンの欧州のモーターウェイはキャンピングカーやキャンピングトレーラー、さらには車に家族を満載し、後部に荷物山積みのトレーラーを引いたりしている車が沢山走っている。


 したがって目的地への道中では今日本でも流行っている車中泊が基本だ。
 もちろん筆者も一つの旅行で1泊や2泊は車中泊になることが多い。実際夜中に走ることが多いので、ホテル等へのチェックインの時間と自分の泊まりたい時間帯が会わない事も理由の一つだ。

 さて、これらのキャンパーや車中泊をする人達が全て大型のキャンパー等を持っているわけではないのは当然のこと。
特にミニ・フリーク達にとってはキャンパーや車中泊、そしてホリデーの目的地へ向かう時も、やはりミニ・フリークを誇示したいものなのだ。

 もちろん素晴らしく考えられていて大人4人は充分に乗れる(!?)イシゴニス卿の巧みなスペースユーティリティーには頭が下がるが、現実には流石に小さく荷物のスペースは・・・・・!!
 もちろん我がミニ・フリークスはこの問題を彼らのスタイルで解決してしまう。彼らが牽引するのは市販の小型トレーラー・・などではなく、ミニの、ミニの為の、ミニらしい、トレーラーを産み出してくる。それもそれぞれが個性豊かに。現在ではこのトレーラー日本でも見かけるようになった。高速以外の道理事情はまだ大型トレーラーや巨大キャンパーにはきつい中、ミニのサイズであれば、かなりの山奥、海辺、僻地、混んだ観光地等でも扱いは楽そうではないか。トレーラーだけではなくフィックス・キャンパーもその歴史は古く、何時の時代もキャンパーを見事にミニ化させてしまい、実に上手く必要最小限のキャンパーを現出させる。

 ミニトレーラーもミニキャンパーも、行く先々でふと車を止めてドアを開ければ、そこには限りない無限世界が現出する、まさにドラえもん、何処でもドア、ミニの中からだからこそ見える世界だ。
 ミニキャンパーやトレーラーにテントやキャンプ道具を積み込めば ディスタネーション・エニーウェアー!! 行き先は無限、何処でも目的地、ミニ・世界にいざ出発だ。

初出:ストリートミニ